累進配当を軸に、増配余地まで広げた選別|2026年10月31日の週末運用記録

累進配当を軸に、増配余地まで広げた選別 2026年10月31日週末ポートフォリオ

2026年10月31日の週末運用記録です。株価は10月30日終値、保有確認と売却方針の追記は11月1日時点。本文の選定条件・会社予想・保有判断は当時のものです。

累進配当を優先しながら、利益の成長や還元余力から増配を期待できる会社にも目を向ける。今週は、そんな選び方へ見直した週でした。

「きゅぷるの増配株投資」は、1株単位で保有を積み上げ、配当収入の成長を目指す運用記録です。今回は、選別条件の変更と、実際の買い増し、その後の保有判断を振り返ります。

累進配当を軸にした、二段階の選別

10月30日、累進配当や同等方針の明示を必須にする選び方から、累進配当を最優先としつつ、DOEや増配期待も評価する選び方へ広げました。DOEは自己資本などに対する配当の割合を示す方針ですが、会社によって分母や「目標・下限」の意味が異なるため、原文を確認します。

従来は、予想PER12倍以下、普通配当性向40%以下、普通配当利回り3%以上という数値条件を重ねていました。これからは、調査対象を広く拾う条件と、購入を決めるための評価を分けます。現在の利回りや方針の名前だけでは、利益の成長と将来の増配余地を十分に比べられないと考えたためです。

10月30〜31日の選別条件の変更
10月30〜31日の選別条件の変更。画像をタップすると拡大できます。

10月31日に整理した一次抽出は、次の4条件です。

会社予想PER
一次抽出で残す範囲:0倍超・15倍未満
採用評価で重視する目安:10倍以下

ROE
一次抽出で残す範囲:5%以上
採用評価で重視する目安:8%以上

会社予想配当性向
一次抽出で残す範囲:60%未満
採用評価で重視する目安:普通配当性向30%以下

会社予想配当利回り
一次抽出で残す範囲:1%以上
採用評価で重視する目安:普通配当利回り3%以上

一次抽出の4条件を通過しても、それだけで購入は決めません。配当方針、利益の持続性、投資後の資金余力、借入負担を個別に確認します。採用評価の優先目安を外れただけで、機械的に不採用にするわけでもありません。

配当履歴の確認も続けます。一次の数値抽出に履歴を混ぜず、二次評価で直近10期の無配・減配を確認。減配の例外は、原因・解消・普通配当の水準回復という根拠が揃う場合に限ります。上場後10期未満は上場後の全期間を対象とします。流動性は今回の評価対象から外しています。

10月31日時点の一次抽出条件と採用評価の優先目安
10月31日時点の一次抽出条件と採用評価の優先目安。画像をタップすると拡大できます。

この先では、実際の買付明細、保有一覧、前週末との損益・配当比較を掲載します。買い増した後に保有判断を見直した理由と、高い利回りだけでは判断できない資金面の論点も整理します。

週末の保有状況

保有は19銘柄・68株。評価額は191,562円、評価損益は−670円(−0.35%)でした。前週末の−252円から、含み損は418円増えています。

年間配当の税引前換算は6,868円。ここでいう年間配当は、現在の保有株数に各社の年間配当予想を掛けた合計です。決算期が異なる会社を合算し、購入前に権利が確定した配当も含むため、これから12カ月で実際に受け取れる金額ではありません。

10月31日週末ポートフォリオの全体サマリー
10月31日週末ポートフォリオの全体サマリー。画像をタップすると拡大できます。

取得額192,232円に対する年間配当の割合は3.57%、評価額に対しては3.59%です。保有の記録は11月1日に確認した口座画像を使い、株価は10月30日の東証終値と照合しました。以下の売却方針は11月1日の追記として、週内の約定とは区別しています。

10月26日の買い増し

週内に確認できた買付は、13銘柄・15株、受渡代金38,595円です。対象13銘柄にまず1株ずつ配分し、保有金額の小さいイズミと北海道ガスへ、さらに1株ずつ追加しました。約定日は10月26日、受渡日は10月28日です。

2026年10月26日の買い増し一覧 13銘柄15株
2026年10月26日の買い増し一覧 13銘柄15株。画像をタップすると拡大できます。
コード・銘柄購入株数(株)受渡代金(円)
2768 双日15,260
2986 LAホールディングス12,685
3289 東急不動産HD11,234
3291 飯田グループHD12,175
3486 グローバル・リンク・マネジメント11,917
5105 TOYO TIRE14,032
5331 ノリタケ13,165
8074 YUASA16,250
8098 稲畑産業14,475
8273 イズミ21,830
8439 東京センチュリー12,471
9534 北海道ガス21,774
9543 静岡ガス11,327
合計・13銘柄1538,595

選定には、当時の累進配当・同等方針と数値条件を使っています。週後半の条件変更を、26日に買った理由へ遡って当てはめてはいません。

26日に追加しなかったのは、INPEX、サーラ、グローリー、コーナン商事、兼松、オプティマスグループです。選定時点ではINPEXとコーナン商事は利回り、サーラとグローリーはPERの旧条件から外れていました。兼松は今回の購入対象に含めず、オプティマスは関連会社OzCarの問題による影響を精査中でした。現在の購入対象かどうかは、当時とは別に判断しています。

含み益から含み損への変化

買い増し後の10月26日は評価損益+2,427円でしたが、30日は−670円となり、表示損益は3,097円悪化しました。前週末と比べて株数が増えているため、この差額をそのまま週間の運用成績とは扱いません。

10月23日・26日・30日の保有と配当の比較
10月23日・26日・30日の保有と配当の比較。画像をタップすると拡大できます。

含み益は11銘柄、含み損は8銘柄。プラスの合計2,154円に対し、マイナスの合計は2,824円でした。

含み益への寄与が大きいのはINPEXの+867円、グローリーの+354円、静岡ガスの+236円です。一方、双日の−1,320円とノリタケの−632円で、含み損全体の約69%を占めています。

双日は30日の前日比が−6.28%と大きく下げました。同日に発表した2027年3月期中間決算では、親会社所有者に帰属する利益は635.88億円、前年同期比40.4%増。通期利益予想1,300億円と年間配当予想180円は据え置きでした。株価の下落と、会社が配当予想を引き下げたかどうかは分けて見ています。下落率だけから、決算が市場の期待を下回ったと断定することもしません。

保有19銘柄の一覧

10月26日に買い増した銘柄と、同日は買い増しをしなかった銘柄を分けました。累進方針・DOE方針は会社の公表方針であり、この表に載っていることが追加購入の決定を意味するものではありません。

10月31日週末版 保有19銘柄の株数・評価額・評価損益・配当換算・予想指標・配当方針
10月31日週末版 保有19銘柄の株数・評価額・評価損益・配当換算・予想指標・配当方針。画像をタップすると拡大できます。

予想PERと配当性向は、会社が公表した同じ決算期のEPSと配当から計算しています。配当利回りは10月30日終値で再計算しました。ROEも今回の評価に使い、直近通期の実績値と、今期の利益予想を区別しています。

11月1日追記:買い増し後の保有見直し

11月1日時点の検討では、LAホールディングス、グローバル・リンク・マネジメント、オプティマスグループの3社を売却する方針にしました。売却の約定は未確認なので、3社とも保有一覧と合計に残しています。

LAホールディングス
保有株数:4株
見直した点:棚卸資産の増加と営業資金の流出、借入増加を伴う事業拡大
今後の確認点:物件引渡しによる入金と借入返済の進捗

グローバル・リンク・マネジメント
保有株数:4株
見直した点:販売契約は進む一方、引渡し・資金回収までの負担が大きい
今後の確認点:契約済み物件の引渡し・決済、財務余力の回復

オプティマスグループ
保有株数:1株
見直した点:豪州の中古車販売関連会社OzCarが任意管理手続へ移行し、業績への影響が不確か
今後の確認点:投資・債権・保証等への影響と会社予想の見直し

LAの2026年12月期中間期は、営業キャッシュフローが91.84億円の支出でした。棚卸資産は88.04億円増加し、自己資本比率は29.3%から27.2%へ低下しています。会社は後半の引渡しを見込み、通期予想を維持していますが、今回の運用では、その回収を待つ間の負担を重く見ました。資本剰余金を原資とする配当だけを理由に、利益がない会社だと判断したわけではありません。

グローバル・リンクMは、中間期の営業キャッシュフローが210.50億円の支出で、棚卸資産の増加が主因です。ただし、「販売が進んでいない」と一括りにはできません。10月30日には目黒区の2件と新宿区の1件で売買契約の締結を公表し、引渡し・決済はそれぞれ11月、11月、12月の予定としています。契約の進捗は評価しつつ、入金や借入返済まで完了したとは扱わず、今回は売却方針を維持します。

3社の年間配当換算は合計1,114円です。仮に全株を売却し、ほかを買い増さなければ、現在の予想ベースでは6,868円から5,754円へ減ります。これは売却後の仮定計算で、現在の保有残高や実際の受取配当を変更したものではありません。

配当額を増やすことを目指していても、保有を見直せば一時的に配当の換算額は減ります。今回は、目先の配当額を維持することよりも、その配当を支える利益と資金回収を優先する判断です。

継続する銘柄で見るべき点

残る16銘柄は購入対象を維持しています。数値目安から外れる部分を認めたうえで、企業ごとの根拠と確認点を残します。

INPEX
現在の数値・判断材料:予想利回り2.76%。PER9.26倍、配当性向25.52%。累進方針と資金創出力を評価
続けて見る点:原油・ガス価格と大型投資後の資金余力

サーラ
現在の数値・判断材料:予想PER12.65倍、利回り2.89%、直近通期ROE6.68%。前期以上の配当を基本とする方針
続けて見る点:営業CFの回復、投資回収、借入増加と金利負担

グローリー
現在の数値・判断材料:予想PER13.02倍、配当性向39.95%。累進配当とDOE4%以上の方針
続けて見る点:利益回復が継続し、配当を支える現金が残るか

兼松
現在の数値・判断材料:10月30日にGSX株式の売却に伴う利益増加の見込みを開示
続けて見る点:一過性の利益と本業の収益力を分けること

兼松が示した約145億円の利益増加は、公開買付けの成立後に予定される取引を前提とし、開示時点では通期業績予想に織り込まれていません。その金額を独自にEPSへ足して、PERを低く見せる計算はしていません。

保有配分では、双日・YUASA・稲畑産業の3社で評価額の35.5%、兼松も含めると36.7%です。銘柄数が分かれていても、景気や投資サイクルに共通する影響は残ります。今後は月10万円を目安に、月初の各1株購入と、その後の配分を考えます。均等な保有金額を目標にしつつ、1株の価格差と既存の偏りも確認します。

今週は買い増しで配当の換算額が増えた一方、株価の変化で含み損に戻りました。次の購入判断では、累進配当の表明に加え、本業の利益が続くか、投資と返済を終えた後にも配当余力が残るかを確かめていきます。

出典・集計基準

保有株数・取得単価・評価額・評価損益は、11月1日提供のSBI証券口座画像6枚に基づきます。画面の時刻は9:08〜9:09で、画面内の日付は確認できません。19銘柄の株価はYahoo!ファイナンス掲載の10月30日東証終値と全件照合しています。夜間PTSは使っていません。

取得額は表示取得単価×保有株数、評価額・評価損益は口座表示を合算しました。兼松の2,306.5円×1株は画面では評価額2,306円、評価損益+16円です。終値×株数の単純合計191,562.5円との0.5円差は表示処理によるもので、損益の追加とは扱いません。

前週末の取得額からの増分38,609円と、26日の受渡代金38,595円の差14円は、取得単価の端数処理によるものです。飯田グループHDの26日平均約定単価は2,175.5円ですが、受渡代金表示は2,175円でした。買付明細には実際の受渡代金を使っています。

確認済みの実現損益は10月1〜19日分の税引前+187円です。10月20日以降の実現損益、全入出金、受取配当は今回の保有画面では確認できないため、口座全体の総合リターンは算出していません。

年間配当換算は前週末5,435円から1,433円増加し、26日購入後の6,868円と同額です。1株当たりの年間配当予想は前回と同額で、増加は株数によるものです。LAは7月1日の1対3分割を調整し、中間177円÷3+期末予想115円=174円を使いました。中間は資本剰余金原資を含み、購入前の権利確定分です。

予想値は11月1日に確認した会社開示に基づきます。Yahoo!掲載のEPSと会社短信のEPSには株数の算定などによる差があるため、本表のPER・配当性向は会社公表EPSに統一しました。ROEはYahoo!掲載の直近通期実績です。会社別の対象期・配当・EPSと資料は以下のとおりです。

INPEX(1605)
対象期:2026/12
年間配当/株(円):112
予想EPS(円):438.82
会社資料:2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結) 8/7 15:30

サーラコーポレーション(2734)
対象期:2026/11
年間配当/株(円):34
予想EPS(円):92.85
会社資料:2026年11月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 10/6 16:30

双日(2768)
対象期:2027/03
年間配当/株(円):180
予想EPS(円):622.55
会社資料:[2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信[IFRS会計基準](連結) 10/30 12:30](https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20261030/20261009548847.pdf)

LAホールディングス(2986)
対象期:2026/12
年間配当/株(円):174(分割後換算)
予想EPS(円):506.79
会社資料:2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結) 8/10 15:30

東急不動産HD(3289)
対象期:2027/03
年間配当/株(円):50
予想EPS(円):140.02
会社資料:2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 8/6 15:30

飯田グループHD(3291)
対象期:2027/03
年間配当/株(円):92
予想EPS(円):237.04
会社資料:2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結) 8/7 16:30

グローバル・リンク・マネジメント(3486)
対象期:2026/12
年間配当/株(円):100
予想EPS(円):320.40
会社資料:2026年12月期 中間決算短信(8/7)

TOYO TIRE(5105)
対象期:2026/12
年間配当/株(円):135
予想EPS(円):402.57
会社資料:2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結) 8/7 11:00

ノリタケ(5331)
対象期:2027/03
年間配当/株(円):120
予想EPS(円):309.01
会社資料:2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 8/7 16:30

グローリー(6457)
対象期:2027/03
年間配当/株(円):154
予想EPS(円):385.52
会社資料:2027年3月期 第1四半期 決算短信〔IFRS〕(連結) 8/7 15:00

コーナン商事(7516)
対象期:2027/02
年間配当/株(円):140
予想EPS(円):443.80
会社資料:2027年2月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結) 10/13 15:30

兼松(8020)
対象期:2027/03
年間配当/株(円):70
予想EPS(円):210.41
会社資料:2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結) 8/4 14:00

YUASA(8074)
対象期:2027/03
年間配当/株(円):190
予想EPS(円):542.17
会社資料:2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 8/7 15:00

稲畑産業(8098)
対象期:2027/03
年間配当/株(円):143
予想EPS(円):393.39
会社資料:2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 8/5 14:00

イズミ(8273)
対象期:2027/02
年間配当/株(円):30
予想EPS(円):82.82
会社資料:2027年2月期 第2四半期(中間期) 決算短信〔日本基準〕(連結) 10/13 15:30

東京センチュリー(8439)
対象期:2027/03
年間配当/株(円):90
予想EPS(円):251.66
会社資料:2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結) 8/3 15:30

オプティマスグループ(9268)
対象期:2027/03
年間配当/株(円):18
予想EPS(円):46.75
会社資料:2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結) 8/7 15:30

北海道ガス(9534)
対象期:2027/03
年間配当/株(円):27
予想EPS(円):106.69
会社資料:2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結) 10/29 14:00

静岡ガス(9543)
対象期:2026/12
年間配当/株(円):45
予想EPS(円):120.89
会社資料:2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結) 8/5 15:30

個別の出来事に関する資料:

・販売用不動産の開発用地の販売に関するお知らせ-東京都目黒区 10/30 16:00

・販売用不動産の販売に関するお知らせ-東京都目黒区 10/30 16:00

・販売用不動産(オフィスビル)の販売に関するお知らせ-東京都新宿区 10/30 16:00

・公開買付けに伴う株式売却に係る「持分法による投資利益」の計上(見込み)および業績への影響に関するお知らせ 10/30 19:00

・持分法適用関連会社におけるVoluntary Administration手続開始に関するお知らせ 10/8 12:30

前回の購入理由は、10月26日の運用記録にも残しています。当時の旧条件による判断と、今回の見直しを比べるための記録です。

本記事は個人の運用記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。将来の利益や配当を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。